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品質工学会はその前身である「品質工学フォーラム」が1993年に設立されました。日本では1970年代末から品質工学という名称が使われ始めていましたが、米国では1980年代初頭から「タグチメソッド」と呼ばれて自動車業界等で幅広く取組まれていました。
「タグチメソッド」という呼称はその普及に役立った反面、メソッド即ち手法であるという認識が一般的で、「手法」と不可分で更に重要な品質工学の「考え方」、「工学としての本質」が理解され難く、また「タグチメソッド」が実験計画法から発展した面を持つために、今でも品質工学は実験計画法の高度なバージョンの一種であるという認識も払拭されているとは言えないかと思います。
一方で「品質」というキーワードのために品質管理と品質工学の違いも必ずしも大方の理解を得られているとは言えません。技術開発の効率良い評価を主題とする品質「工学」は本来、製造工程の管理問題に関わる品質「管理」とは相当異質のものであります。
品質工学による技術開発は、その製品・システム等の基本機能を明確にし、使用環境等が変わってもその機能を発揮できるようなロバスト設計を可能にします。また製造工程では管理コストと工程中で発生する品質損失のバランスを求めることができます。さらに、品質工学の活用により生産コスト(品質コストを含む)を含むわが国産業の技術競争力・事業化のスピードアップ・収益力強化等を実現し、品質損失を含めた社会的な損失の最小化を図ることができます。すなわちわが国産業の諸外国に対する優位性の再構築を図る上で有力な武器であり、ぜひ役立てて頂きたいものです。
設計に基づいて試作し、寿命試験・信頼性試験等を行って問題点を洗い出し、対策を講じて完成度を上げる、更にはその繰り返しで製品(システム)の玉成を図っていく、という従来行われてきたような非効率な開発手法から早く脱却しなくてはなりません。
品質工学は当初自動車、事務機等の分野が推進役でしたが、近年多様な手法が開発され、化学・医学・薬学等の分野に適用範囲が広がり、更には新たに農業、不動産関連への取組み、社会科学的な分野への挑戦も試みられ、その適用可能な分野は更に広がりつつあります。
一般工学である品質工学は広範な適用範囲を有する特性を持ち、社会への貢献の機会も多くあります。品質工学を理解し活用する上での近道としてぜひ品質工学会への入会をお勧めする次第です。
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